第
3回バルセロナ国際ギターコンクール ”ミゲル・リョベート”
III
CERTAMEN INTERNACIONAL DE GUITARRA DE BARCELONA "MIQUEL LLOBET
10月31日から11月5日にかけて、スペイン・バルセロナで
「第3回バルセロナ国際ギターコンクール“ミゲル・リョベート”」が開催されました。
主催はCIGBCN“Miquel Llobet”とIberamerik Concertの2つで
共にバルセロナを中心にコンサートなどの音楽イベントを企画しています。
コンクールに付随して、この期間中10を超えるイベントも催されます。
ミゲル・リョベートの生涯やバルセロナでの足跡、パブロ・ピカソとギターのかかわり、
などについてのいくつかの講演や、バルセロナのギター製作家達の作品展、
またギタリストのC・トレパット、E・トバリナ、ゴメス-メンデス ギターデュオ、
エクレクティコルディア・ギターオーケストラなどのコンサートも行われ、大変規模の大きなギターフェスティバルです。
コンクールの方は、11月2日から始まりました。
2日間をかけて行われた1次予選の課題曲はRespuesta(M・Llobet)、Oh Guitarra(M・A・Cherubito)の2曲。
Oh Guitarraは今回のコンクールの為の新作です。
そして4日に2次予選が行われ、課題曲はSoliloqui Ⅳ(J・Homs)、Homenaje a la Tumba de Claude
Debussy(M・de・Falla)。
この2つの予選を通過した本選出場者は、
Alen Garagic(ボスニア・ヘレツォゴビナ)、Mauricio Carrasco(チリ)、そして僕、國松竜次の3人です。
Alenはマドリッドのクリスティーナ皇女国際ギターコンクールの2004年の優勝者、
Mauricioもヨーロッパの主要コンクールでいくつかの入賞歴があります。
本選の課題曲はオーケストラとのコンチェルトで、Concierto del agua (T・Marco)、もしくはMoforibale a
Oshun(W・Dominguez)
の中から1曲を選択。パブロ・ゴンサレス指揮によるカタルーニャ・イベロアメリカーナ室内オーケストラとの共演で、
僕とAlenはConcierto del aguaを、MauricioはMoforibale a Oshunを演奏しました。
Alen Garagic (Bosnia
Herzegovina)
Mauricio Carrasco (Chile)
その結果、1位/國松竜次、2位/Mauricio Carrasco、3位/Alen Garagic、となりました。
賞は1位には5000ユーロ(約80万円)の他、バルセロナのFiori Musicaliというレコード会社とのCD製作の契約、
スイスやオーストリアなどのフェスティバルへの客演の契約など。
そして2位は3000ユーロ(約48万円)、3位には1500ユーロ(約24万円)というものでした。
J・Furio、C・Trepat
1次、2次予選の会場は、バルセロナ市立音楽院内のホール
「エドゥアルド・トルドラ」というこの上ないほどの音響を持つコンサートホール。
本選会場となったL’Auditoriの室内楽ホールもまた、素晴らしい音響と雰囲気でした。
5日のコンクール最終日の午前、僕たち本選出場者がオーケストラとのリハーサルを繰り返している間、
主催者のE・ダバロス氏を始め、審査員のJ・フリオ、E・マドリゲラ、C・トレパット他の方々は、
このフェスティバルが今日最終日を迎えたことの報告とお祈りのため、
バルセロナにあるというミゲル・リョベートのお墓参りへ行き、
そしてそれぞれが墓前でギター演奏をしたそうです。
主催者のこのフェスティバルへの思い入れ、
またバルセロナに生まれ育ち、バルセロナを拠点に世界的な活躍をした
ミゲル・リョベートという歴史的マエストロに対しての深い畏敬の念が感じられます。
行き届いたオルガナイズ、各イベントの質の高さ、
どれをとってもこのフェスティバルが世界的に見ても有数のものであることを感じさせます。