3月27日(月)
ルティエール芸術音楽学校内でクロアチアのギタリスト、
ゾーラン・ドゥキッチによるマスタークラスが行われました。ゾーランは数々の国際コンクールに入賞し、
現在はESMUC(カタルーニャ上級音楽学校)にて講師を務めています。
つい先月初めての日本公演を行い、名前を耳にされた方やお聴きになられた方もおられるかも知れません。
この学校で学ぶ4名の生徒がレッスンを受けました。
ゾーランは非常に高いテクニックで、音楽の求めている表現のみを自然に表現するような演奏スタイル。
レッスンでのアドバイスはほとんどテクニック的なことに集中しており、
各弦の弾き分けのための右手の使い方、少し変わったスケールやスラーやトレモロの練習法、
彼の考えるより効率の良い運指法などを時間をかけて説明していました。
できるだけたくさんの教師の考え方を知り、
たくさんの事を総合的に見ることができるような目を養うことが大切ですね。


3月26日(日)
こちらバルセロナはもう今日からサマータイムです。
1時間早まってちょっと損した気分。ただでさえ長い陽がさらに長くなります。
僕が初めてこちらに来た頃、夜の9時になってもまだ明るく、一体どうなっているんだこの国は!!と、
カルチャーショックに追い討ちをかけられた記憶がありますが、そんな懐かしい夏がまたやってきます。
日本はまだまだ寒いと聞きますが、季節の変わり目は皆さんお体に十分お気を付け下さい!



3月17日〜3月25日(金〜土)
スペイン南部アンダルシアの古都、コルドバ、セビーリャ、グラナダを旅行しました。
それぞれの都市に2日ほどの滞在でしたが、バルセロナではそれほど感じることのできない、
イスラム文化を強烈に感じた1週間でした。
コルドバは何やら陰影の街とでも言ったような渋く古い町並みで、
なぜかアルベニスの「コルドバ」の旋律が頭から離れませんでした。
とりわけメスキータのいくつかの異文化の融合された様は印象的で、
またグアダルキビール川に佇む荒れ果てた砦などは、
かつてのイスラム王朝の厳しい戦争の歴史を感じさせました。
セビーリャはコルドバ同様、アラビアの文化を色濃く残しながらも、
流行の最先端を行く、パリを思わせるようなお洒落な雰囲気。
カテドラルは今まで見たものの中でもトップクラスの規模で、
アルカーサルもアラビア王朝の栄華を偲ばせる、贅の限りを尽くした驚くべき建築物でした。
そしてこの街は闘牛、フラメンコの本場で街のいたるところでそういったものを目にします。
あるタブラオでバイレ(踊り)、カンテ(歌)とギターによるフラメンコショーを見ましたが、
こういった形で鑑賞するのは初めてのことで、何やらスペイン臭さにどっぷりと浸りきった夜でした。
グラナダはかつてのイスラム時代の旧市街アルバイシン地区と、
その南北に広がる新市街が、奇妙なほどに対比を成す大きな街。
コルドバ同様、アラビア的な風貌をした人々も大変多く、
どこか東京を思わせるような、昼も夜もやんちゃな若者達で賑わっているような印象。
この街は何と言っても、かの有名なアルハンブラ宮殿があります。
僕個人的な体験として、スペインのギタリスト、N・イエペスの「F・タレガ作品集」
というCDを中学生ぐらいの頃聴いていたのですが、
そのジャケット写真にアルハンブラ宮殿が写っていました。
そんなこともありこの宮殿には何かしら憧れのようなものがあり、
今回の初めての観光はとてもわくわくするものでした。
アルハンブラ宮殿は、アルカサバ、王宮、ヘネラリフェの庭園、
カルロス5世宮殿の4つの部分によって成り立っています。
アルカサバは
9世紀頃に遡る大変古い城砦跡で、古い時代の生々しい戦争の歴史を今に残して おり、
歴代の王達が暮らした王宮は、眩いばかりの素晴らしく緻密なアラベスク様式の装飾で満たさ れた、
かつての王達の生活を思わせる独特の空間。
ヘネラリフェの庭園は、アラビア人にとっての楽園を現実化しようとした憩いのための離宮、
カルロス5世宮殿は、
グラナダがキリスト教徒の手に渡った後に建設された
アラビア文化による他の建築物の中、明らかな違和感を感じさせるヨーロッパ建築。
アルハンブラ宮殿は今となってはかなり荒廃しており、
数々のアラビア装飾や建築技術は素晴らしいにしても、
全体としてそれほど建築物としての完成度を感じさせるようなものではないと思います。
しかし今まで見たどの建築物よりもはるかに心に残る。
何か悠久の時を感じさせるような
数々の歴史と、
当時の生活を偲ばせる
理屈ではない魅力に溢れている。
スペインというヨーロッパの地にこういったアラビア文化の巨大な宮殿が存在することも、
ある意味ショッキングな事実であって、そういった様々な相容れないもの同士の融合、
とでも言ったような部分が強烈なインパクト、または魅力となっているような気がします。
このような体験を僕は僕なりに自分の音楽に生かして行きたい、
という風に思える、大変貴重な刺激であったと思います。
PHOTO欄Landscape18,19,20にそれぞれの街の観光スポットの写真をアップしてみました。

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