10月24、26日(月、水)
24日は久しぶりにフェルナンド・ロドリゲス先生のレッスンを受けました。
去年6月、日本へ一時帰国したため受けられなかった、その残りの2クラス分で、
リョベート、トゥリーナ、ラウロ、ロドリーゴなどを見て頂きましたが、
以前受けた数々のアドバイスを要約したような、
改めて彼のきめ細やかな音楽性を思い出させる素晴らしいレッスンでした。
右手の弦を弾く角度や力や方向、左手のヴィブラートのかけ方の多様さは、
このようなアドバイスをするギタリストは他にいない、と思わせられます。

また、26日はカルレス・トレパット先生のレッスンを受けました。
国鉄で片道3時間をかけ、彼の自宅のあるジェイダという街まで行きました。
初めてのこの街は、バルセロナに比べるとかなりの田舎に見えましたが、
何やら遠くの方の山頂にある大きなお城が、さり気なく深い歴史を感じさせました。
駅まで迎えに来てくれたカルレスが説明してくれたところによると、
幾度の内戦により城壁はかなり傷んでおり、この街は特に観光客もないとのこと。
音楽家にとっては、エンリケ・グラナドスの生誕地として知られているとのことでした。
レッスンでは、24日のフェルナンドに見て頂いたものと同じようなレパートリーを演奏しましたが、
こちらもとても緻密な音楽作りで、全体の構成感や、
表情豊かな潤いのあるフレーズの作り方の素晴らしさは大変参考になるもの。
彼のギターはサントス・エルナンデスだということですが、
長年愛用してきたようなその姿の通り、彼の弾く音は実に手の内に入った慣れたもので、
その柔らかい美しさと言ったら例えようがないほど。
フェルナンド、カルレス両先生共にカタルーニャの音楽家なわけですが、
この地方の芸術的感性が直に感じられて、
僕の表現したい音楽に合った、とてもいい環境で学ぶことができていると思いました。

ちなみにカルレス・トレパットのいくつかのCDを聴きましたが、
中でもモンポウ作品ばかりを集めたものは大変素晴らしい。
輝きのあるとびきり美しい音色で、艶やかな潤いのある音楽を聴かせてくれます。
恐らく日本では販売されていないように思いますが、是非広く聴かれて欲しい1枚だと思います。


10月17日(日)
毎週日曜日の朝、「キャプテン翼」が放送されています。
このさわやかなサッカー漫画には、僕も子供の頃ずいぶんハマったものです。
翼君と岬君の、今となっては若干気持ち悪いほどの友情、
翼君への闘志をメラメラと燃やす不良少年日向小次郎、
心臓病というハンデを背負いながらも天才的なプレーを見せる、ガラスの貴公子こと三杉淳など、
個性豊かなキャラクター達のそれぞれのサッカーへの思いはすがすがしいものでした。
しかし、懐かしい気持ちに浸りながら見ているうち、あることに気付いたのでした。
キャラクターの名前がみなスペイン名に変えられており、
何と、翼君がオリベルという名前に変更されているではないか!(爆)
従ってタイトルは「Campeones Oliverl」という、無残なものだったのでした。


10月7日(金)
カ ルレス・トレパット氏の初めてのレッスンを受けました。
実はこの日、バルセロナから西へ国鉄で約2,3時間のジェイダという街の自宅へ
伺う約束だったのですが朝電話があり、私用で今バルセロナにいるとのこと。
そこで、急な話でしたが僕の部屋でレッスンを行うことになりました。
お会いするのは初めてでしたが、とてもおだやかで物静かなお人柄。
今日は顔合わせということでのレッスンで、いくつかのレパートリーを聴いて頂いたのですが、
それでも3時間近くの時間をかけ、とても丁寧なアドバイスをして下さいました。
感じたことは、一世代前の巨匠達の豊かな音楽表現を良く持っておられるということ。
若 い世代の効率的な運指やバランスの取れたすっきりとした音楽を聴く機会の多いなかでは、
それは逆にとても新鮮なものに感じられました。

とりわけ潤いのあるヴィブラートのかけ方や音色の使い分け、
思い入れたっぷりに歌うダイナミックなフレーズは、
感情をストレートに表現し、よりドラマ性を求めるタイプの音楽家であると思いました。
また人間的にも温かみがあり、音楽以外の面でも信頼感を与えてくれる、
先生としても素晴らしい方で、これからのレッスンがとても楽しみです。


10 月3日(月)
今日からスペイン語学校のクラスが始まりました。DIARYの今年3月の欄にも書いた、
Escuela Oficial de Idiomas Barcelona-Drassanesという公立校で、
10月から来年1月までの4ヶ月のコースです。
クラスは約30人で、前回は中国人が半数近くいたのに対し、今回はまばらでかなり国際色豊か。
各国の国民性の違いというものが、もろに感じられて、
こういう機会というのはとても貴重なものではないかと思わせられたりします。
何はともあれ、より良いスペイン語を目指して、また今回も頑張って勉強しようという気持ちになりました。

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