3月18日(金)
L’Auditoriにてカタルーニャ・バルセロナシンフォニーオーケストラのコンサートを聴きました。
プログラムは現代フランスを代表するP・ブーレーズの「Rituel」、
A.E.O.S作曲コンクールで1位を得たという、スペインの若い世代のF・ララによる「Hopscotch」、
そして最後にフィンランドの作曲家M・リンドベルグの「Piano Concert」。
ブーレーズ作品は変則的に配置された小規模なオーケストラの編成で、
左右に分けられた少ない弦楽部と、かなり補強された管楽器部、それに多種多様な打楽器部からなり、
全体にゆったりとした独特な間合いや、ガムラン的な打楽器郡の使い方など、
かなり東洋的な色合いの強い、
偶然性を取り入れた即興的な作品。
30分に及ぶ大曲のため、前半はこの1曲のみでしたが、
正直なところ、難解な響きの羅列といった風にだんだん感じられてくる。
後半の1曲目、ララの作品は前曲に比べるとアップテンポで、
とりわけはっきりしたリズムに、スペインを感じさせる作品。
しかし十分に斬新な響きで、常にテンションが高く、
最後のクライマックスに向けてダイナミックに盛り上がる構成。
最後はリンドベルグの作品でしたが、前日の17日、
リセウのコンセルバトリオにて(不適な笑みを浮かべた)彼による作曲の講義が行われ、
試聴を交えての自作品の分析、作曲する際の動機や心がけ、
また他の現代作曲家達の作品解説などを丁寧に行っていました。
そしてこの日のピアノコンチェルトでは作曲者自身がソリストを担当しましたが、
大変なヴィルトオーゾで、自作品を演奏しているという熱気が伝わってくる名演。
全体に和声的で、メシアンや武満の影響を感じさせる斬新で美しいトーンとリズムの中に、
時折りメランコリックな旋律が浮かび上がってくる。
中間部の静かな部分から超絶的なカデンツァを経ての終盤トゥッティはまさに圧巻。
現代のシベリウスなどというキャッチフレーズがありましたが、事実、現代フィンランドの鬼才。
3作品ともに現代ものでしたが、それぞれ違ったスタイルで興味深く聴くことができました。


3月12日(土)
バッハのリュート組曲第一番 BWV996をフェルナンドに受講しました。
全曲を見て頂いたため約2ヶ月にわたりましたが、
この時代の音楽に対しても理解が深く、有益なアドバイスを頂くことができました。
いつも感じることですが、彼はとても微妙な表現を求めてきます。
例えばフォルテだのピアノだの、硬い音だの柔らかい音だのといった指示をあまりせず、
もっときめ細やかで微妙なニュアンスの移ろいだったり、
そしてより重要なことは、それぞれの瞬間の音楽的感性だったりします。
しばしば、何パターンもの表現をさせ、実際に演奏する際にはその場の状況や気分に従う、
型にはまらない「遊び」のための練習であったりします。
彼にレッスンを受けるようになってからというもの、
右手左手共に、より細やかな動きを知ることができたと感じています。


3月9日(水)
先月からスペイン語学校に通っています。
月曜日から木曜日まで毎日2時間の授業を受けているので、若干忙しくなりました。
バルセロナでも数少ない公立の語学学校で、
1時間あたりのレッスンが数百円、もしかすると数十円というほどの破格の値段。
そのため誰でもが入れるわけではなく、2度に渡ってのくじ引きがあります。
Escuela Oficial de Idiomas Barcelona-Drassanes (語学の公立学校 バルセロナ-ドラサネス)
という学校名で、2月から6月まで、また10月から1月までの約4ヶ月のコースを年2回募集しています。
1クラスあたり30人と生徒数は多いですが、授業内容はそれほど悪くはなく、
これからバルセロナに留学を希望される方などにはおススメです。

ちなみにこの日は、この学校内のフィエスタ(日本で言う文化祭のようなもの)で、
世界各国の生徒によりその国の言葉や踊り、その他の文化などを各教室にて紹介していました。
そしてなぜか僕は日本語を担当することになったのですが、
次から次へと山のように人が来るので、彼らの名前を日本語で書いたり、
日本語の仕組みを簡単に説明したりと大忙しでした。

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